
「立ち飲み」と聞くと、安いお酒と気軽なおつまみを楽しむ店を想像しませんか?
ところが、勝どきの「かねます」は、そのイメージをいい意味で覆してくれました。
今回いただいたのは、生うに牛あぶりさし、脳天あぶりさし、車海老カツ。
気取らないカウンターで、割烹を思わせるような本格的な料理をサッと楽しむ。このギャップこそ「かねます」の魅力です。
今回は味だけでなく、予約不可の人気店へ行く前に知っておきたい価格感・注文のタイミング・早仕舞いへの注意・ワンオペならではの片付けまで、実体験をもとに正直に紹介します。
勝どきの立ち飲み「かねます」へ
こちらが「かねます」。入口はとてもシンプルで、知らずに歩いていたら通り過ぎてしまいそうなくらいです。
派手な店構えではありませんが、店内に入ると常連さんらしきお客さんも多く、長く通う人がいる店ならではの空気を感じました。
店内はカウンター中心。現在はワンオペ


店内でうかがったところ、以前はお父さんと一緒にお店を切り盛りしていたそうですが、現在は基本的にお一人で営業されているとのこと。
料理を作り、注文を受け、飲み物を出し、片付けまで一人。実際に店内にいると、その忙しさがよく分かります。
初めて行くなら、常連さんの動きを少し見ておくと安心。
この日の店内では、飲み終わったグラスや食べ終わったお皿を最後にカウンターへ戻し、自分が使った場所を軽くきれいにしてから退出する流れが自然にできていました。
「必ずこうしなければいけない」というより、ワンオペのお店をお客さんも少し支えているような雰囲気。こうした距離感も「かねます」らしさなのだと思います。
まずは一杯。ハイボールは本当に濃い?
「かねますのハイボールは濃いめ」という話を聞いていたので、この日は念のため炭酸も追加してみました。
ただ、実際に飲んだ印象としては、個人的には「そこまで極端に濃い感じではないかな」というところ。
もちろん感じ方には個人差がありますが、「かなり強いハイボール」を想像して身構えるほどではありませんでした。
手書きメニューも、かねます体験のひとつ
メニューは壁に掲げられた手書きスタイル。
かなり味のある文字で、初めて見ると「これは何と書いてあるんだろう?」と少し考える料理もあります。
分からないときは無理に解読せず、聞いてみるのが一番。こうした手書きメニューまで含めて、昔ながらの酒場らしい雰囲気があります。
初めて行く前に知っておきたい|予算・混雑・注文のコツ
① 予約不可の人気店。時間には余裕を
「かねます」は予約ができない人気店です。日や時間帯によっては待つ可能性があるため、後ろに予定を詰め込みすぎず、少し余裕を持って向かうのがおすすめです。
② 「安い立ち飲み」の予算感では考えない
名物には生うに、牛肉、まぐろの希少部位、車海老などが使われています。一般的な大衆立ち飲みより高めになることを想定し、お財布には少し余裕を持って行くと安心です。一人あたりの金額は注文する料理やお酒の量で大きく変わるため、ここでは具体額を断定しません。
③ ワンオペなので、注文はタイミングを見て
店主さんは調理・注文・飲み物・片付けまで一人で対応しています。忙しそうなときは少し待ち、手が空いたタイミングで簡潔に注文するとスムーズ。達筆な手書きメニューで迷ったら、常連さんが頼んでいる料理を参考にして、料理名を確認してから注文するのも一つです。
④ 早めに営業を終えることもあるようなので注意
最近は、その日の状況によって予定より早めに営業を終えることもあるようです。予約不可のお店でもあるため、「着いたら閉まっていた」を避けるためにも、遠方から向かう場合は特に、来店前に最新の営業状況を確認しておくのがおすすめです。
👑 生うに牛あぶりさし|立ち飲みとは思えないクオリティー
生うに牛あぶりさし
今回、最初に「料理のレベルが普通の立ち飲みと違う」と感じた一皿です。
牛肉に生うにを合わせた、見るからに贅沢な組み合わせ。
特に印象に残ったのが生うにの質でした。嫌な臭みをほとんど感じず、濃厚なのに食べやすい。
牛肉と一緒に食べても、うにの風味がしっかり残っています。
「これを立ち飲み屋さんで食べるの?」と思ってしまうクオリティー。 店の気取らない雰囲気とのギャップが面白い一皿でした。
👑 脳天あぶりさし|口に入れると、とろっと消える
続いては脳天あぶりさし。
これは今回の中でも、かなり印象に残りました。
表面には軽く火が入り、中はレア。口に入れた瞬間、とろとろで、そのまま溶けていくような食感です。
脂の旨味はしっかりしていますが、重たさばかりが残る感じではありません。
個人的には「絶品」という言葉が一番しっくりきた一皿。魚好きなら、ぜひ候補に入れてほしいです。
車海老カツ|海老一匹を想像したら、まったく違った
そして、良い意味で予想を裏切られたのが車海老カツ。
名前から、私は「車海老が一匹、そのまま揚げられて出てくるのかな」と思っていました。
ところが運ばれてきたのは、ピンポン玉より一回り大きいくらいの丸いカツ。
中には海老の身がぎっしり。海老のおいしいところをまとめて閉じ込めたような一品でした。
添えられたスパゲティーまで主役級
さらに驚いたのが、横に添えられていたスパゲティー。
最初は普通の付け合わせかと思いましたが、こちらはカニみそで味付けされていました。
濃厚なカニみそのコクが麺に絡み、今まであまり食べたことのない味。車海老カツだけでなく、このスパゲティーもかなりおいしかったです。
料理はそのままで完成。卓上調味料は少し惜しい
今回食べて感じたのは、どの料理もソースや塩を後から足さなくても、そのままでおいしく食べられるように下ごしらえされていること。
素材の味を生かしながら、料理としてきちんと完成しているので、まずは何も付けずに食べてみるのがおすすめです。
一方で、少しだけ「もったいない」と感じたのが卓上の調味料。
設置されていたソースや塩などは、私には比較的一般的なものに感じました。料理そのもののクオリティーがかなり高いだけに、ここまで料理にこだわっているなら、塩やソースにもお店ならではの個性があるとさらに面白かったかもしれません。
もちろん、そもそも調味料を足さなくても成立する味なので大きな不満ではありません。ただ、料理が素晴らしいぶん、そこまで揃ったらもっと印象的だったのに、と少しだけ惜しく感じたポイントです。
かねますは「立ち飲み=安く飲む店」と考えないほうが分かりやすいです。
生うに、牛肉、まぐろの希少部位、車海老など、料理に使われる食材を見ても一般的な大衆立ち飲みとは方向性が違います。
安さよりも「味を優先して、いい料理を食べたい」という日に向くお店だと思います。
常連さんが多いのも納得。独特の空気を楽しむ店
店内には常連さんらしき方も多く、ワンオペの店主さんとの距離感も一般的な飲食店とは少し違って見えました。
華やかな接客や、椅子に座って長時間ゆっくり過ごすことを目的にするお店ではありません。
その代わり、目の前で料理が作られ、本格的な一皿を立ったまま楽しむ。
サービスよりも、料理の味を優先したい人。 そんな人にはかなり面白いお店です。
あきのひとこと
「立ち飲み」と聞いて想像するイメージが、見事に覆されました。気取らないカウンターで、割烹や高級寿司店を思わせるクオリティーの魚介をサクッとつまむ。このアンバランスさが、とても粋で贅沢な体験です。
特に脳天あぶりさしは、口に入れた瞬間にとろけて消えるような食感が衝撃的。生うに牛あぶりさしも、うにに嫌な臭みがなく、「立ち飲みでこのクオリティー?」と思わされました。
そして車海老カツは、海老の旨味がぎゅっと詰まったカツはもちろん、付け合わせのカニみそスパゲティーが主役級。これだけでも、もう一度食べたいと思うほどでした。
また、料理は調味料を足さなくても十分おいしく食べられるように下ごしらえされていて、そこにも店主さんの仕事を感じました。その一方で、卓上のソースや塩は比較的一般的なものに感じたのが少しだけ惜しいところ。料理の完成度がこれだけ高いからこそ、調味料まで「かねますらしさ」があればさらに面白いのに、とも感じました。
ワンオペの店主さんを気遣い、自分のお皿やグラスをそっとカウンターへ戻し、使った場所を軽く整えて帰る常連さんたちの振る舞いも印象的。お店とお客さんが自然に支え合っているような空気がありました。
普通の立ち飲みに飽きた人、サービスより味を優先したい人、本当においしい魚介を楽しみたい人。 そんな方にぜひおすすめしたい一軒です。
かねますはこんな人におすすめ
魚介を中心に、おいしい料理を食べたい人。
普通の立ち飲みとは違う一軒を体験してみたい人。
接客や高級感より、料理そのものを重視する人。
反対に、とにかく安く飲みたい人や、椅子に座って長時間ゆっくり飲みたい人には、少し方向性が違うと思います。
店舗情報
- 店名
- かねます
- ジャンル
- 立ち飲み・日本料理・海鮮
- 住所
- 東京都中央区勝どき1-8-1 勝どきビュータワー 1F
- 最寄り駅
- 都営大江戸線「勝どき駅」
- アクセス
- A4a出口から徒歩約1分
- 予約
- 予約不可
- 訪問日
- 2026年8月22日
※営業時間などは変更される場合があります。また、最近は状況により早めに営業を終えることもあるようです。来店前に最新の営業情報をご確認ください。
まとめ|味を優先するなら行ってみたい、勝どきの立ち飲み
勝どきの「かねます」でいただいたのは、生うに牛あぶりさし、脳天あぶりさし、車海老カツ。
どれも「普通の立ち飲み」という言葉から想像する料理とは違いました。
臭みのない生うに、とろける脳天、海老の身が詰まった車海老カツ。そして、まさかのカニみそスパゲティー。
料理は何も足さずに食べても完成度が高く、素材と下ごしらえの良さを感じました。卓上調味料にはもう少し個性があっても面白いと感じましたが、それも料理そのものがしっかり仕上がっているからこその感想です。
店主さんが一人で切り盛りし、常連さんも自然に片付けを手伝う。そんな独特の空気まで含めて、一つの「かねます体験」です。
「立ち飲みだから行く」のではなく、「この料理を食べたいから立ち飲みでも行く」。
味を優先してお店を選びたい人には、覚えておきたい一軒でした。


















