
最初は別のお店へ向かったのですが、そこで約1時間待ちと言われたため予定変更。向かったのが「かねぎん坂野」です。広い店内で案内もスムーズ。湯気が立つ大きなたらいを2人で囲むと、「やっぱり久しぶりに来てよかった」と思える時間になりました。
この記事では、実際に食べたたらいうどんと串焼きの感想だけでなく、なぜ土成でたらいうどんが有名になったのか、100年フード認定、専門店が少しずつ減ってきた現在までまとめます。
最初は新見屋へ。でも約1時間待ちで「かねぎん坂野」に変更
この日はまず「たらいうどん新見屋」へ行きました。見た感じではものすごい大混雑というほどではなかったのですが、案内された待ち時間は約1時間。
今回は待ち時間を考えて場所を変え、久しぶりのかねぎん坂野へ。


そもそも「御所のたらいうどん」はなぜ土成で有名?

「御所のたらいうどん」は、徳島県阿波市土成町・御所地区に伝わる郷土料理です。
この地域はもともと雨が少なく、水稲よりも小麦が重要な作物でした。そのため、来客や縁日など人が集まる日に、各家庭でうどんを打って食べる文化が育ったといわれています。
山仕事の人たちが河原で囲んだうどん
明治から昭和初期には山仕事に従事する人も多く、仕事納めには作業員へうどんを振る舞うのが習わしに。宮川内谷川の河原でうどんを打ち、「じんぞく」と呼ばれる川魚から取ったつけ汁で、大勢が一緒に食べていたそうです。
つまり「大きな器をみんなで囲んで食べる」というスタイルは、観光用に後から作られたものではなく、この土地の暮らしの中から生まれた食べ方なんですね。
「たらいうどん」という名前が広まったのは1931年
1931年(昭和6年)、当時の徳島県知事・土居通次氏が御所村を訪れ、木製の飯盆に盛られたうどんを見て「たらいのような器」と評したことが、現在の「たらいうどん」という呼び名が広まるきっかけになったとされています。
- 土成・御所の小麦文化と山仕事から育った郷土料理。
- 11月7日は「御所のたらいうどんの日」。1931年に知事が訪れた日を由来に制定されています。
- 文化庁の「100年フード」令和6年度・未来の100年フード部門~目指せ、100年!~に認定されています。
かねぎん坂野は昭和46年創業|広い店内も魅力


かねぎん坂野は昭和46年(1971年)創業。公式サイトでは大広間85畳、10畳の個室が5部屋と案内されていて、実際に入ってみても「かなり広いな」という印象です。
テーブル席やバリアフリー設備、車椅子専用トイレも案内されているので、家族や人数の多いグループでも利用しやすい造りです。
湯気までごちそう!大きなたらいで到着

やっぱり、たらいうどんはこの大きな木の器で出てくるだけで気分が上がります。湯気の中から麺を取って、つけ汁につけていただきます。
麺はしっかりコシがあり、おいしい。御所のたらいうどんは讃岐うどんそのものではなく徳島の郷土料理ですが、武蔵野うどんや福岡の牧のうどんなど、いろいろなタイプのうどんを食べてきた中でも、あきは「やっぱり四国のこのコシのある感じが一番好きかも」と思いました。
文化庁の100年フード紹介では、麺を高く持ち上げずたらいの縁に沿わせて湯を切る食べ方も紹介されています。
何人で食べる?たらいの大きさが変わるのもおもしろい

店内の案内では、たらいの目安は1人前19cm、2人前27cm、3~4人前33cm、5人前36cm。家族や友人と大きなたらいを囲むほど、たらいうどんらしさを楽しめそうです。
今回のように2人なら、会話をしながら一緒に麺を取って食べられるサイズ感。こういう「みんなで同じ器を囲む」こと自体が、この料理の楽しさだと思います。
串焼きも注文|やっぱりタレが普通と違う

今回はたらいうどんと一緒に串焼きも注文しました。食べた時に「これ、お店独自のタレなのかな?」と思ったのですが、調べてみるとその感覚は合っていました。
阿波市観光協会の紹介によると、かねぎん坂野の串焼きは初代から続く秘伝のタレ。しかも、果物そのものを熟成させるところからタレ作りを始めるそうです。食べた時に「普通のタレと少し違う」と感じたのも納得でした。
たらいうどんだけで終わらせず、こうした一品料理を一緒に頼むと満足感がぐっと上がります。公式メニューでは、串焼き3本は660円(税込)の案内です(価格は変更される場合があります)。
最近、たらいうどんのお店が減っている?
今回改めて調べていて気になったのが、御所のたらいうどん専門店の数が以前より少なくなっていることです。
資料の数え方がすべて同一とは限らないため単純比較には注意が必要ですが、公開情報を追っても、この地域でたらいうどんを出す専門店が少なくなってきている流れは感じられます。
だからこそ、残るお店が「100年フード」や「たらいうどんの日」を通じて、この味を次の世代へつないでいること自体が大切だと感じます。
訪問時のメニューもチェック

公式メニューには、たらいうどんのほか、山かけたらいうどん、サワガニのから揚げ、アユ塩焼、釜めし、から揚げ、定食などもあります。
「せっかく土成まで来たから、たらいうどんだけでなく地元らしい一品も楽しみたい」という人は、サイドメニューも一緒に見てみるのがおすすめです。

これまで武蔵野うどんや福岡の牧のうどんなど、いろいろなタイプのうどんを食べてきましたが、私はこういう四国らしいしっかりしたコシのあるうどんが一番好きかもしれません。つゆが薄くなったら交換してもらえるのも、最後までおいしく食べたい私にはうれしいところでした。
串焼きも「タレが普通と少し違うな」と思ったら、初代から続く秘伝のタレ。果物を熟成させるところから作っていると知って、さらに印象に残りました。
専門店が以前より少なくなっているのは少し寂しいですが、だからこそ、この100年フードとして残る郷土料理を現地で味わえること自体が貴重だと感じます。大きなたらいを囲んで会話が弾む、この温かい食文化がこれからも続いてほしいです。
かねぎん坂野|店舗情報
| 住所 | 〒771-1508 徳島県阿波市土成町宮川内字落久保104 |
|---|---|
| 電話 | 088-695-2081 |
| 営業時間 | 月~土 10:00~15:00受付終了/日・祝 10:00~16:00受付終了 |
| 定休日 | 木曜日(祝日の場合は営業) |
| 店内 | テーブル席、大広間85畳、個室10畳5部屋 |
| バリアフリー | 車椅子専用トイレあり |
| 訪問日 | 2026年10月17日 |
- 混雑・待ち時間は店ごと、時間帯ごとにかなり変わるので、急いでいる日は複数店を候補にしておくと安心。
- たらいうどんは釜揚げスタイル。たらいの縁に沿わせて麺の湯を切ると、つけ汁が薄まりにくい。
- 今回訪問時は、つゆが薄くなった場合に交換してもらえる案内がありました。
- かねぎん坂野は店内が広く、家族連れやグループにも使いやすい。
- お店は宮川内谷川沿いの木々に囲まれた立地。遠方から行く場合は、時間に余裕をもって向かうと安心です。
- 串焼きは初代から続く秘伝だれ。たらいうどんと一緒に注文するのもおすすめ。
- 営業時間・価格は変更されることがあるため、遠方から行く場合は公式サイトで最新情報を確認してください。
久しぶりに食べた御所のたらいうどんは、やっぱりおいしかったです。
大きなたらいを囲む楽しさ、コシのある麺、つけ汁、秘伝だれの串焼き。さらに歴史を調べると、土成の小麦文化や山仕事の人たちの食事から生まれた、土地そのものとつながった料理だということが分かりました。
専門店は以前より少なくなっていますが、2024年度には100年フードにも認定。徳島・土成へ行くなら、これからも残ってほしい「御所のたらいうどん」を一度は現地で味わってみてほしいです。















